キャリアアップを目指そう!不動産売買で役立つ資格とは?
不動産売買とは、土地や住宅などの不動産による売買取引の仲介を行います。売買に伴う契約や代金支払い、ローン、物件の引き渡しなど幅広くサポートするのが特徴です。
不動産売買には、不動産に関する専門知識や法律知識などが必要になります。不動産売買は多くのスキルが求められる職業ですので、経験を積むと同時に資格を取得するのがおすすめです。ここでは、不動産売買で役立つ資格について詳しく解説します。
不動産売買とは
不動産売買は、不動産売買に伴う一連の取引について支援を行うのが仕事です。仕事の内容は多岐にわたり、十分な専門知識と細かい気配りを必要とします。
不動産売買は、主に不動産会社の営業として活躍が期待されている職種です。仕事の内容は大きく分けて、
- 売主買主の募集
- 不動産調査
- 価格交渉
- 契約のサポート
- ローン申請のサポート
- 不動産引き渡し
の6つがあります。それぞれ解説しましょう。
売主買主の募集
不動産売買を進めるためには、売主と買主をマッチングさせることが重要です。できるだけ多くの人の目に留まるように、売主の募集にはwebサイトやチラシ、雑誌への広告などを使用します。
自社のホームページで無料の価格査定などを受け付け、そこから見込み客へアプローチする方法を採用している会社も多いです。買主の募集の場合にも同じくwebサイトやチラシ、雑誌への広告などを使用します。
賃貸アパートやマンションなどにチラシをポスティングしたり、新聞に折り込みチラシを入れる方法なども主流です。
不動産調査
不動産を売りたいという売主が現れたら、不動産の調査を行います。売却を希望する不動産の状態や特徴などを細かくチェックするのが特徴で、不動産調査をしっかりと行うことで適正価格での売買が可能になります。
逆に不動産調査が不十分だったり、落ち度があったりした場合には適切な価格にならず、後々のトラブルの原因にもなりかねません。
不動産調査は、対象となる不動産によって調査方法が異なります。
一軒家
一軒家の調査の場合にはどこまでが売買する不動産なのか、境界線の確認を行うことが肝心です。
マンション
マンションの場合には、管理会社の確認を行います。さらに、災害時にどのくらいの危険度があるか、ハザードマップ調査も重要です。特に川や海の近くの物件の場合には、洪水などの可能性も含めて調査を行います。
登記情報なども確認し、調査情報に基づきながら売主と話し合って売却価格を決定します。
価格交渉
物件を買いたいという買主が現れたら、実際に物件を確認してもらうために現地に案内します。買主に物件を確認してもらいながら、物件の詳細な情報の説明などを行うのがポイントです。
買主には購入予算があり、売主には希望する売却価格があります。折り合いがスムーズにつくことは少ないため、買主と売主の間に入り、それぞれの予算や希望を聞きながら価格交渉を進めていきます。
契約のサポート
価格交渉が進み、売買が成立する運びになった場合には契約書や重要事項説明書など多くの書類が必要です。特に重要事項説明書については、買主に対面で説明することが決められています。
重要事項説明書の説明を行うためには、宅地建物取引士の資格が必要です。
このように、契約には必要となる書類を作成し、買主と売主の両者に了解を得なくてはいけません。両者からの了解が得られれば、契約の締結となります。その際に多くの場合には手付金の受け渡しが行われますので、受け渡しが円滑に行われるように手はずを整えるのも仕事の一つです。
ローン申請のサポート
買主が物件を購入する場合には、住宅ローンを利用するケースが多いです。その場合にはどのような住宅ローンがあり、買主に適している住宅ローンにはどのようなものがあるのかなどを案内します。
ローンの申請に必要な書類の作成やそのお手伝いを行うのも不動産売買の業務です。
不動産引き渡し
買主と売主の準備完了後に決済を行います。決済は銀行で行い、それと同時に物件の鍵や領収書の引き渡しなども行うのが一般的です。
決済終了後には、司法書士によって不動産登記の手続きが必要になります。
不動産の引き渡しが終了したら成功報酬として買主と売主から仲介手数料を受け取り、不動産売買の一連の取引は終わりです。
不動産売買に役立つ資格は?
不動産売買には、様々な資格を活かすことができます。中でも人気がある資格が、
- 宅地建物取引士
- 不動産コンサルティングマスター
- 司法書士
- 任意売却取扱主任者
の4つです。
資格取得には難易度が高く、時間がかかるものもありますので計画的に学習し、キャリアアップを目指しましょう。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、宅建とも呼ばれる資格です。不動産売買に伴う業務に関する資格で不動産業界でもニーズが高く、宅地建物取引士を目指す人は多くいます。
宅地建物取引士は不動産業を営む際に5人につき1名以上の設置が義務付けられているため、不動産業界では必要不可欠な資格です。宅地建物取引士の資格があれば重要事項の説明ができるようになるため、その分手当が付くなどのメリットがあります。
不動産売買においては買主や売主が専門的な知識を持たないケースが多く、その結果不当な契約になってしまうリスクが高いです。それらを回避するために、十分な専門知識を持つ宅地建物取引士がサポートします。
不動産コンサルティングマスター
不動産コンサルティングマスターは、不動産コンサルティングの関連業務に役立つ認定資格の一つです。不動産売買業務は複雑でレベルが高いため、適切に業務に当たることができる人材が不足しています。
この資格を取得することで不動産コンサルティング業務に関わることができるため、給与がアップしたり待遇が良くなるでしょう。さらに、不動産投資顧問業登録規程に基づく登録申請者になることも可能です。
司法書士
不動産売買を行う際には、司法書士の存在が重要になります。司法書士は国家資格の一つであり、難易度が高く合格者が少ないことでも有名です。合格率はわずか3%であり、司法書士の予備校などを利用してしっかりとした学習と試験対策が求められます。
司法書士は不動産の権利に関する登記申請や必要書類の作成、申請代行などを行います。不動産を売買すると、登記の名義を売主から買主に変更しなくてはいけません。このような手続きを中立な立場に立ってスムーズに進めるのが司法書士です。
法律のプロとして様々な業務に対処できる上に合格するのが難しい資格ですので、持っていると給与アップや昇進の可能性があります。
任意売却取扱主任者
任意売却取扱主任者は、不動産の任意売却に必要な専門知識を有していることを証明する資格です。国家資格ではありませんが、不動産売買に役立つ資格として注目が集まっています。
不動産の任意売却に関わるということは、依頼者のプライベートにも関わるということです。そのため、不動産を取り扱う者としての高いモラルも問われます。
任意売却における注意点なども学習することが可能で、任意売却取扱主任者の資格を取ることで手当が付いたり、就職や転職が有利になるというメリットもあります。試験は選択問題と筆記問題があり、平均合格率は約40%と比較的チャレンジしやすい資格です。
不動産売買に役立つ資格でキャリアアップ!
不動産売買に関する業務は複雑で多様化しているため、広い専門知識と経験が必要です。キャリアアップを目指す場合には、不動産売買に活かすことができる資格の取得を目指しましょう。
資格の種類は多く、難易度の高いものから低いものまで様々です。まずは難易度の低いものからチャレンジし、経験を積みながらより難易度の高い資格に挑戦する方法がおすすめです。