不動産管理の仕事に就きたい!キャリアップや転職に有利な資格はどれ?
不動産管理の仕事は、オーナーや入居者への対応や空室対策、修理・リフォームの手配など幅広いことが特徴です。中には、他の不動産業との区別がよくわからない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、不動産管理業とは何か、仕事内容や職種などを基本から解説します。不動産管理の仕事への転職を検討している人やキャリアアップを目指したい人に向けて、不動産管理業で有利な資格4つも併せてご紹介します。
不動産管理業とは
不動産管理業とは、不動産経営に携わる業務です。不動産から収益を上げるにはその不動産を利用してもらわなければなりませんし、利用する人が見つかれば今度は管理が必要になります。
本来はオーナーさんがすればいいのですが、何かと面倒ですしノウハウだって必要です。そのオーナーさんの代わりに客付けや管路をするのが不動産管理業務になります。
なかには賃貸物件の仲介だけを行っている会社もありますし、大手不動産会社では不動産管理業だけでなく、不動産取引業や不動産賃貸業もカバーしていることが一般的です。
一般的に考える不動産管理業務だけではなく、不動産経営全般にかかわる業務を覚えておくと良いと思います。
不動産管理業務の範囲
主な業務はアパートやマンションなどのオーナーからの委託を受けて、経営業務や保全業務を行うことといいましたが、物件のメンテナンスや清掃のサービスを直接提供することは不動産管理業に含まれません。
これらは建物サービス業、ビルサービス業、ビルメンテナンス業などに分類されます。一般的に言って、不動産管理業とは分けて考えるのが賢明でしょう。具体的にはマンション管理会社がこれらにあたります。
不動産管理の仕事内容とは?
ここでは、不動産管理の主な仕事内容と職種を解説します。
不動産管理の仕事内容
不動産管理の仕事内容は以下の通りに挙げることができます。
- オーナー対応
- 客付け
- 入居者の対応
- 建物の管理
オーナー対応
オーナー対応は、物件を所有しているオーナーの家賃設定や希望する入居者層などの相談に乗ることも業務の一つです。入居者からクレームや設備交換の要望があった際に、オーナーに連絡するなどの業務も含まれます。
客付け
客付けとは、空室対策のことです。入居者募集の広告宣伝活動をしたり、内見案内を代行します。また、賃貸借契約の締結や借家人賠償責任保険、火災保険契約などの事務手続きも含まれます。
入居者の対応
入居者の対応としては、家賃回収の代行や入居者のクレーム対応などが該当します。時にはゴミの出し方について注意したり、近隣住人と入居者のトラブルの間に入ったりすることもあります。
建物の管理
建物の管理として、ビルの定期点検、メンテナンスなどを行います。前述しましたが、不動産管理業としてこれらのサービスを直接提供しているわけではなく、他のサービス会社または自社の別部門に仲介する形になります。また、修理・リフォームの計画を作成することも、建物の管理業務の一環です。
不動産管理の職種
不動産管理に関連した主な職種は、
- 営業職
- 不動産管理職
- 不動産鑑定士
の3つです。
営業職
営業職に配属された場合は、オーナーや管理組合に対して自社と契約してもらえるように営業活動を行います。また、空室対応として広告宣伝活動や内見案内を担当することも営業職の仕事です。
不動産管理職
不動産管理職は定期点検、修理・リフォームなどを手配します。また、ケースバイケースですが、入居者からのクレームに対応することもあります。
例えば、水漏れや共用スペースの汚れなどのクレームは不動産管理職の担当になるでしょう。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、物件の経済的な価値について専門的な判断ができる国家資格を持つ職種です。家賃設定のための判断をすることもあれば、担保評価部門や信託部門で査定を担当することもあります。独立開業した不動産鑑定士として仕事を受ける人もいます。
不動産管理の主な就職先・求められる人材
ここでは、不動産管理の仕事ができる就職先や求められる人材を解説します。
主な就職先
不動産管理の仕事に就きたい場合は、不動産会社に就職するのが一般的です。大手不動産会社においては専門知識や資格を持っている場合、管理部門や鑑定部門に配属されることが多いでしょう。
不動産鑑定士の場合は、銀行の不動産の担保評価部門や信託部門に就職することもでき、独立開業の道もあります。
一方、不動産管理の仕事ではオーナーや入居者とコミュニケーションを取ることも求められます。人との関係づくりが得意な人は、営業職として活躍するのも良いでしょう。
不動産管理の職に就くのに資格は必要なのか?
不動産管理の仕事の中には、無資格でできる業務が多くあります。そのため、不動産管理に関係した資格を取得していなければ就職・転職できないということはありません。
特にオーナーとの信頼関係づくりや入居者のクレーム対応においては、専門家というより人として親身に対応することが重要になります。業務によっては、深夜や休日にオーナーや入居者からのクレームに対応しなければならず、忍耐力や柔軟な対応力が必要です。
不動産管理の仕事のキャリアアップや就職・転職に有利になる資格
不動産管理の仕事でキャリアップにつながる資格や就職・転職に有利な資格には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士の4つを解説します。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法によって定められている国家資格およびその有資格者です。不動産業界で働く人ならぜひ持っておきたい資格の1つであり、宅建の資格がない場合は、宅建の通信講座も充実していますし資格取得から目指すのが良いでしょう。
不動産取引や土地、建物に対する知識が深まりますので、キャリアアップの土台を作る意味でもメリットがあります。不動産取引における重要事項の説明、契約書への記名・捺印など宅地建物取引士でしかできない仕事も多く、重要な役割を担うために必須の資格です。
管理業務主任者
管理業務主任者とは、建物の維持管理についての知識や管理組合に関する法律、管理組合会計の技能を証明する国家資格および有資格者です。試験に合格した後、2年の実務経験を経ると管理業務主任者として登録されます。
管理業務主任者は、法律によって委託を受ける管理組合30組に対して1人在籍していなければなりません。また、管理受託契約の際の重要事項の説明、重要事項が記載された文書への署名・捺印など、管理業務主任者でしかできない独占業務もあります。
管理会社にとって貴重な人材となりますので、資格取得によってキャリアアップ、収入アップが見込めるでしょう。
マンション管理士
マンションの運営や構造に関して高度な知識を持ち、管理組合や区分所有者のコンサルティング業務を行える国家資格です。2000年に創設された比較的新しい資格ですが、マンション居住が多い日本において、今後需要が増すと見られています。
居住者の高齢化と高経年マンションの問題は、今後一層深刻になるでしょう。それに伴い、社会から求められる有用な人材として、マンション管理士の価値が高まることが期待できます。
具体的な仕事内容は、長期修繕計画の作成や修繕積立金の設定、管理組合の運営が適正になるようにアドバイスを行うことなどです。管理組合や区画所有者に対しては頼れる相談相手として存在感を発揮できます。
そのため、在籍する会社から重用されることが多く、キャリアアップに役立つ資格です。また、独立開業を目指すこともできます。
賃貸不動産経営管理士
賃貸アパート、マンションの管理に関して専門的な知識・技能・倫理を持ち、管理の適正化、健全化を行う専門家です。賃貸住宅の管理業務を行う会社は、賃貸不動産経営管理士を1人以上在籍させなければならない法律があります。
会社において欠かせない人材として、安定雇用やキャリアアップに役立つでしょう。また、市場規模が拡大中の民泊に関する法律において、「住宅宿泊管理業者」としての役割が与えられていることもメリットです。新たなビジネスチャンスに必要な人材として登用されることも期待できます。
不動産管理業への転職やキャリアアップを目指すには資格取得が有利!
不動産管理の仕事には、オーナーや入居者への対応、空室対策、修理・リフォームなどがあります。営業職のように無資格でもできる業務はあり、必ずしも資格が必要なわけではありません。
しかし、宅地建物取引士や管理業務主任者のような資格を持っていれば、就職・転職に有利であることは確かです。キャリアアップにもつながるため、資格取得も検討してみましょう。